茶道について


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日本人が誇れるものとしてあげられるものの一つが茶道。お茶の味だけでなく、茶器や茶碗、茶室を作り出す襖や床の間の掛軸なども一体となり、お茶を頂く時間そのものを作り上げるという奥深いものです。今回はいろんな角度から茶道のことを知ってみたいと思います。

女性が茶道をたしなむようになったのは江戸時代から。

だれもが知っている千利休ですが、千利休が活躍した時代は、女性が茶の湯に関わることはまだありませんでした。戦国武将の織田信長も千利休の弟子だそうですが、その頃は、「茶の湯で天下統一」という言葉があるように、茶道が政治や天下取りにとても重要な役割を果たしていたようで男性が主に茶道をたしなんでいました。今では、茶道を習っている女性の方が多くいらっしゃいますが、これは新しい発見でした。

茶道の3大流派〜表千家・裏千家・武者小路千家〜

表千家・裏千家・武者小路千家、この3つが茶道の三大流派です。知っている方も多いかもしれませんね。「茶道の流派は驚くほど数多くあって、千利休以前からの流派もいくつもあり、その後さらに沢山の流派に分かれていった」と昔、お茶の先生から教わりました。当時は美味しい和菓子が目当てでしたが、続けていればとても奥深い学びがあったのではないかと残念に思います。

茶道具の世界も奥深い

茶道を習う時、ふくさばさみや菓子切、扇子など、お点前をするときのグッズにも心惹かれます。いろんな柄があって、ついつい目移りし、選んでいる時間も楽しいひと時です。さらに、茶筅や茶杓なども自分で揃え、茶杓直しなども好みのものを選んだり、季節はもちろん、行事やお相手によって茶碗を選び始めたりすると、どんどん楽しさも増してくるそうです。茶道の茶碗も色型・素材も多様で芸術的。季節によって絵柄をかえたりするだけでなく、夏には涼やかなガラス製の茶碗があったりと素材から選ぶこともできるのも驚きです。みているだけでうっとりします。茶道具の美しさだけでなく、極めていくとお点前の中での季節表現などもあるそうで、茶道の奥深さにのめり込んでいく方もおおいようです。

普段の生活に茶道で習う所作が役立つ

着物が好きで着物を着るきっかけに茶道をはじめた方や、ドラマや小説などで大きな力を発揮した茶道の魅力や千利休にあこがれて茶道をはじめられた方など、きっかけはいろいろですが、茶道をはじめてから、襖の開け閉めや立ち居振る舞いなどの“所作”を学ぶことによって、上品なしぐさが身に 着いたり姿勢がよくなったりと、普段の生活にもよい影響を与えるようです。

日本には、柔道・剣道・空手道などの武道から、書道・華道などに至るまで“○○道”というかたちで教えを伝承していますが、茶道も同じように生き方そのものを学ぶとおっしゃる先生もいらっしゃいます。

素朴な疑問、なぜ茶道ではお菓子を頂くのか。

これは、お茶の美味しさを引き出すためだそうです。そこで、実験をしてみました。まずは、お抹茶だけでいただきます。その後、お菓子を頂き、お菓子の甘味が口に広がった後で、お抹茶をいただくと、より引き締まったお茶の味が口の中を絶妙に調和させる感じがしました。そのままお抹茶だけいただくより、しっかりしたお抹茶の味と香りを実感。実験のおかげでさらに納得できました。

お菓子は本当に色や形で様々なものに変化し、まさに絵画を愛でるような楽しさがあります。また、季節によって工夫された和菓子も多く、口に入れた時の味や食感が工夫されていたり、小さいお子様が喜ぶような楽しい和菓子もあります。華やかな世界が小さな和菓子のなかで表現されており、茶道では和菓子も重要なアイテムとして役立っているのも頷けますね。

茶道の魅力にまだ気づいていない方は、日本人として一度基本的なお作法を学んでみてはいかがでしょうか。その楽しさと面白さ、改めて気づかれることと思います。

まとめ

今回は茶道について、様々な視点からトリビア的情報やこれまで見聞きしたこと、茶道具屋さんで茶道具などを拝見した経験などを元にいろいろと茶道について紹介してみました。あくまで、茶道の表面的なお話が中心になっていますが、茶道はもっと奥深く、茶道をたしなんでいる方にとっては、もっともっとお伝えしたいことや、正確に表現したいこともあるのではないかと思います。 日本人にとってはやはり茶道は身近なもの。これからも茶道に関心をもって勉強していきたいな、と思いました。