インバウンド旅行者にも大人気!世界中から注目を集める日本茶は「輸出重要品目」


記録的な円安の影響を受けて、日本を訪れる訪日客が増えている現在。世界中で日本の文化に注目が集まる中、日本茶が空前のブームになっています。農林水産省の「輸出重要品目」でもある日本茶。その人気の秘密はどこにあるのでしょうか。キーワードは「健康志向」。日本茶が海外で人気を集めている理由を探ってみました。

日本茶の輸出量は、10年で2倍以上に

外国人旅行客が日本で楽しみにしているのが、食べ物。回転ずしやラーメンは、今では日本を代表する人気料理となっていて、ランキングの常連です。他にも、日本独自のスタイルである居酒屋も外国人旅行客に大変人気です。そんな日本の食文化が注目される中で、日本茶の消費量も世界で拡大しています。財務省貿易統計によれば、2022年時点で日本茶の輸出量は過去10年で2倍以上に増えているそうですから、その人気ぶりが伺えます。特に北米やヨーロッパでの人気が高く、日本茶は「輸出重要品目」の1つとなっています。

人気の秘密は海外の健康志向

日本文化が世界に浸透すると同時に、海外での健康志向の高まりが、日本茶人気の秘密だと言われています。有機栽培茶の需要が非常に高く、ヨーロッパへの輸出の8割近くが有機栽培茶です。特に海外で人気を集めるのが抹茶。街のカフェやレストラン、ホテルなどでは、抹茶ラテがブームを通り越して定番メニューになっているほどです。他には、オレンジジュースなどのフルーツ系ジュースと冷たい抹茶を二層仕立てにしたアイスドリンクが人気。鮮やかな緑が見た目に美しく、爽やかなお茶の風味も好まれているようです。

煎茶よりも抹茶が世界で好まれる理由

日本で「お茶」と言えば煎茶が定番ですが、海外ではあまり見かけません。日本茶=抹茶のイメージが強く、その理由は粉末状のお茶の方が手軽に楽しめるからです。欧米でも紅茶を淹れて楽しむカルチャーがありますが、急須ほどうまく淹れられないのが悩みどころ。一方の粉末状のお茶であれば、お湯を注ぐだけで日本茶本来の香りや風味が楽しめます。こうした理由から、単価は高くても抹茶などの粉末状のお茶が好まれているようです。

欧米から中東へと広がっていく日本茶の人気

欧米はもちろん、中国をはじめとしたアジア圏でも日本茶人気が広まっていますが、近年では中東への輸出拡大に大きな期待が寄せられています。例えば、サウジアラビアでは主流だったコーヒー・紅茶から、健康志向が高い人の間で日本茶へのシフトが増えています。また、日本食ブームを受けて、日本茶の需要が拡大しているのがアラブ首長国連邦(UAE)。以前に比べて日本茶が手にしやすくなっています。さらに、イスラム教徒の多い地域ではお酒を飲まない代わりにお茶への関心が高いことも、日本茶需要の拡大に影響しているようです。

日本茶の魅力を見直してみよう

日本ではお茶の消費量が伸び悩んでいますが、世界的に見れば非常に高い人気を誇っています。手軽においしく飲めて、品質も高い日本茶。世界での需要がもっと増えて欲しいものです。そんな日本茶の魅力をもう一度見直してみてはいかがでしょうか。