同じ緑茶なのに意外と違う!?日本と中国の緑茶の違い



日本で日常的に飲まれている緑茶は、奈良・平安時代に中国より伝来したと言われています。起源である中国には、5000年の歴史があるとされ、中国・日本双方共に、それぞれ“文化”として発展を遂げてきました。同じお茶の木から採れる茶葉を使った飲み物であるにもかかわらず、かなり異なる“文化”が育まれた「緑茶」。今回は、そんな日本と中国の緑茶の違いをご紹介します。

日本と中国、お茶の楽しみ方はこんなに違う!

茶葉の見た目の美しさは中国に軍配

日本の茶葉は、見た目よりも「おいしさ」や「使いやすさ」など実用性が重視されているのに対して、茶葉自体をひねって螺旋状にしたり、縛って球状にしたり、さらには、お湯を注ぐことで美しい花を開かせたり、その見た目の美学にもこだわっていることが中国茶の特徴的です。中でも花茶など工芸茶と呼ばれる仕掛けが施された茶葉は、お土産やお祝い事に喜ばれます。

お茶を世界が認める「茶道」に進化させた日本

高級品だったお茶を庶民が楽しめる物に変えた一方、茶道という文化へ昇華させた日本。ルールや作法だけでなく、茶室や庭といった空間演出、茶道具などの工芸に至るまで、茶道には、日本独自の美学が息づいています。

日本茶は、中国茶よりも抗酸化作用が高く健康的

中国の古い書物にも「万病に効く薬」と紹介されているように、緑茶はいつの時代も健康に良いとされてきました。抗酸化作用の高いカテキンなど、緑茶には健康に役立つ成分がたっぷりと含まれていますが、日本と中国の緑茶を比べてみると、日本の緑茶は抗酸化作用がおよそ4~5倍もあるそうです。

日本は味わい、中国は香りを重視

同じ茶木からつくられたものとは思えないほど、味わいや香りが違う日本と中国の緑茶。製法が全く異なることで、この違いが生み出されています。中国は、茶葉を炒ることで独特な香りを引き出します。炒った茶葉はお湯を注ぐとじわじわと味が出てきます。何度もお湯をつぎ足しながら、高級品ともなると10煎以上もお茶を楽しむことができます。一方日本茶は、茶葉を蒸します。蒸すと味がしっかりと出て、1煎目からふくよかで深みのあるお茶をいただけます。香りを楽しみたいなら中国茶、旨みなど、お茶の味を最大限に味わうなら日本茶がおすすめです。

世界はどっちの緑茶を好む?

黄色味がかった色ながら、酸味や渋みなど濃い味わいが楽しめる中国茶と、鮮やかな緑色が楽しめ、旨みと甘みが感じられるあっさりとした日本茶。世界では、どちらも人気で、それぞれの長所を飲み比べられる専門店もあるようです。

まとめ

いかがでしたか?見た目の華やかさよりも、味わいやいただきやすさなど実用性が進化した日本の緑茶の歴史の中に、日本人の気質が見てとれて面白いですよね。今はインターネットなどで簡単に手に入るので、ぜひ、中国茶と日本茶の違いを飲み比べて、それぞれの国の歴史や文化を緑茶から感じてみてはいかがでしょうか?