日本の茶摘み方法の歴史~手摘みから機械摘みまで~


桜の時期が過ぎれば、いよいよ茶摘みの季節です。「夏も近づく八十八夜」と茶摘みの歌にあるように、立春から数えて88日目、おおよそ5月の始め頃に茶摘みが始まります。
お茶は、チャノキと呼ばれるツバキ科の常緑樹の葉からつくられます。常緑樹ですので年に数回収穫することが可能ですが、一年の中で最初に摘採した葉でつくる「新茶」は新芽を使用する分、栄養や旨味成分が豊富な点が特徴です。
ですがせっかくの新芽も、摘採の際に傷つけてしまったり、摘採する時期を逃してしまっては意味がありません。
だからこそ、茶摘み作業はお茶の品質を左右する重要な行程です。今回はざっくりとその歴史をご紹介していきたいと思います。

長らく手摘みが主流

お茶が日本にもたらされたのは平安時代。臨済宗の開祖である栄西禅師が宋から帰国する際にお茶を持ち帰ったことで、日本でお茶の栽培が始まったとされています。

そこから大正時代に入るまでおよそ900年近く、日本では手摘みが主流でした。

ただ一口に手摘みと言っても、お茶の種類によって摘み方が異なる場合があります。

例えば、茶芽も茶樹も乱暴に扱えば痛んでしまいますから、枝が揺れないように固定して一芽ずつ丁寧に柔らかい部分を摘まんで折り取る「折り摘み」という方法もあれば、茶芽の下部を指ではさみ、しごき上げて一気に茶芽を摘み取る「こき摘み」という方法なども伝わっており、手摘みでもさまざまな工夫がされてきたことが伺えます。

ハサミでの茶摘みが始まる

そして大正時代に入ると、鍛冶職人によって茶摘み用のハサミが発明されました。庭木などを剪定する刈り込みハサミの刃の部分に袋のような物が付いており、切った芽が袋に落ちていく仕組みになっています。ハサミの登場で茶摘みの効率は大きく上昇しましたが、次の摘採のことを考え、枝を切る位置や、摘採する量などに気を遣う必要がありました。
そのため熟練の技が必要となる摘採方法であり、現在ではハサミでの茶摘みも手摘み同様、小規模の茶園で採用されているようです。

機械での茶摘みが主流に

そして、昭和時代に動力式の摘採機が発明されたことによって、茶摘みは一気に機械化されました。現在は業務の効率化や収穫量の増加などから、機械での茶摘みが主流になっています。
使用する機械も、エンジンで稼働する刃で葉を刈り取り、送風機で袋に入れるバリカン式や、人が運転して摘採を行う乗用型摘採機、また茶畝にレールを敷き、その上に作業車を走行させることで摘採作業を自動化するレール走行型摘採機など、茶園の規模や種類によってさまざまな機械が使い分けられているようです。

まとめ

ご紹介してきたように、お茶は品種や育て方だけではなく、摘採方法も常に改良が加えられてきました。大井川茶園でも同様に、お客様により良いお茶をお届けするため、日々さまざまなことにこだわってお茶をおつくりしております。機会がありましたら、ぜひ一度ご賞味ください。