梅雨から夏にかけて気を付けたいお茶の上手な保存方法。


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今年も憂鬱な梅雨の季節がやってきました。皆さん、体調を崩されたりしていませんか?梅雨どきの湿度の増加は、人間に様々な悪影響を与えます。そしてそれは、茶葉にとっても同じ。乾燥しているため油断しがちですが、茶葉は実はとてもデリケート。だからこそ、上手な保存方法を知ることで、お茶本来の味や香りをこの時期も存分に楽しんでいただきたいと思います。そこで今回は、お茶の保存をテーマにお届けします。

茶葉の弱点は、酸素、湿度、温度、光、香り!

誤解されている方も多いようですが、茶葉は乾物ではありません。一般的な緑茶の茶葉は3%程度の水分を含んでいるため、日々コンディションを変えているのです。皆さんは「特別な時に飲もう!」と、大事な茶葉を棚の奥にしまい込んでいませんか?酸素、湿度、温度、光、香りに配慮した保存をしていなければ、お茶本来の味や風味は損なわれてしまうことも。そこで、お茶の苦手なものを知っていきたいと思います。

【茶葉の天敵 (1)酸素について】

茶葉が空気中の酸素に長く触れていると、カテキン類、脂質、カロチノイド類、ビタミンCの酸化(発酵)が起こります。これが原因で茶葉は赤くなり、水色、旨味、香気の品質は大きく低下。酸素は味わいを最も低下させる原因となるのです。そのため、空気に触れないように保存する必要があります。

【茶葉の天敵 (2)湿気について】

そもそも乾燥した茶葉は、湿気を吸いやすい性質。そのため、湿度の高い環境ではすぐに水分を吸収してしまいます。そして茶葉の水分量が増えると成分の酸化が促進され、色・味・香りの品質が極端に低下するのです。このような理由から、湿気を通さない容器で保管するようにおすすめしています。

【茶葉の天敵 (3)温度 (4)光について】

直射日光(紫外線)が当たる環境や、温度の高い環境では、葉緑素やカテキンが変性します。緑茶の色素である葉緑素が退色することで、水色は褐色に。緑茶の特徴である新緑を思わせる水色や香りが乏しくなってしまいます。そのため、光を通さず熱がこもらない暗所、または光を通さない容器に保存いただけるようにお願いしています。

【茶葉の天敵 (5)湿気について】

消臭剤に使用されていることからもお分かりの通り、茶葉には強い脱臭効果があります。それはつまり、周囲の様々な香り・臭いを吸収する性質を持っているということ。臭いの強い物が周囲にあると、お茶本来の香りを損なってしまうのです。香りにも気を配って保存場所を選びましょう。

◎逆に茶葉は水分や臭いを吸い取るため、利用後の茶殻は湿気やニオイが気になる下駄箱などで再利用もできますよ。

茶葉の保存方法について。

茶葉の保存方法を知る前に、まずご理解いただきたいのは賞味期限についての正しい理解。茶葉の容器に表示されている賞味期限は、「未開封の状態で、明示されている保存方法に従った場合の美味しく飲める期間」です。開封後の茶葉は気を配っても少しずつ劣化が進んでいくため、できるだけ早く飲み切るように心掛けましょう。ちなみに、未開封の茶葉は冷凍庫に入れることで6ヵ月~1年程度の保存も可能です。

【開封後の茶葉の保存方法!】

開封後の茶葉は、茶缶などの密封性の高い容器に移して冷暗所に保存しましょう。茶缶は、遮光性が高くて中蓋のあるものが理想です。また、以前に他の茶葉を入れていた場合は、香りが移らないようよく洗浄して使用してください。この茶缶を調理器具や冷暖房器具から離れた、温度変化の少ない場所にしまいましょう。

【冷蔵庫・冷凍庫での保存について!】

開封前の茶葉は、冷蔵庫・冷凍庫による保存が有効です。ただし、冷蔵庫から出した直後に開封すると、結露によって茶葉が水分を含んでしまいます。12時間程度(可能であれば24時間)は未開封のまま室温に馴染ませ、結露が起こらないようにすると水分を含むのを避けることができますよ。また、開封後の茶葉を冷蔵庫に入れる時は他食品の香りを吸収しないようにしたいですね。

【作り置き茶の保存について!】

この時期は、作り置きの麦茶を冷蔵庫に常備しているご家庭も多いのではないでしょうか。煮出したお茶はティーバックを取り除き、荒熱をとってから冷蔵庫で保存しましょう。できれば煮出した容器とは別の容器に移し替えるのが理想的。数日は冷蔵庫で保存できますが、やはりできるだけ早く飲み切るほうがいいです。

◎賞味期限はお茶が美味しい状態で楽しんでいただける期間です。消費期限とは違いますので賞味期限を過ぎても飲むことはできますよ。

(まとめ)

今回はお茶の保存方法についてお届けしました。実際にはこれほど気を遣ってお茶を飲むことはないかもしれませんが、お茶の良さを最大限に引き出すための保存方法を徹底すると、何となくお茶がデリケートで愛おしいものになってきます。手をかけるとそれだけよい状態が維持できるのは、どんなものでも同じですね。どうぞ最も美味しい状態のお茶で楽しんでください。

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