思わずお茶が飲みたくなる!緑茶を物語で味わう、おすすめの映画3選


緑の絶景ともいえる茶畑は、朝昼夕、うつろう自然に彩られ刻々と姿を変えていきます。働く人々、虫や風のBGM、雨露の輝き、太陽と雲のコントラスト、何気ない茶畑の風景を切り取りスクリーンに映し出せば、そこに見えてくるドラマの数々。
今回は、そんな緑茶や茶畑が美しく描かれた、思わずお茶が飲みたくなること間違いなしな、おすすめの映画3選をご紹介します。

緑茶づくりや農業のリアルを描いた
「種まく旅人~みのりの茶~」

2012年公開

舞台は、大分県臼杵市。緑茶の有機栽培を手掛ける祖父の入院を機に、アパレル会社をリストラされた孫娘みのり(田中麗奈)が、農水省の高級官僚であり農業のスペシャリスト金次郎(陣内孝則)の助けを借りながら、お茶づくりに奮闘する物語。美しく雄大な茶畑の描写とともに描かれているのは、自然の厳しさとお茶づくりを通して見えてくる農業のリアルな日常。土いじりさえしたことのなかったみのりが、来る日も来る日も「飲む人の喜ぶ顔」を想いながら、時には雑草の声に耳を傾け、自然の力を信じた先に生まれた緑茶とは?観劇後は、きっと淹れたての緑茶を飲みたくなること間違いなし。

小さな日常の大切さに気づかされる
「日日是好日」

2018年公開

約25年間、茶道教室に通い続けたエッセイスト森下典子さんが、その日々を綴ったエッセイ「日日是好日『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」を映画化した人間ドラマ。
“世の中には、「すぐわかるもの」と、「すぐわからないもの」の二種類がある。すぐわからないものは、長い時間をかけて、少しずつ気づいて、わかってくる。“
劇中に出てくるその言葉通り、主人公である典子(黒木華)は、どんなに辛い出来事に直面した時もお茶の稽古に通い続け、茶道を通して、少しずつすぐには感じることのできなかった日々の幸せや日常に広がる世界の美しさに目覚めていく。「生きるって素晴らしい」、観た人にそう感じるきっかけをつくってくれる作品。

大人も“あの”夏を思い出してキュンとくる
「夏ノ日、君ノ声」

2015年公開

17歳の主人公・哲夫(葉山奨之)と難病を抱えた少女舞子(荒川ちか)の一夏の忘れられない恋を描いた、感動の青春ラブストーリー。撮影は、全編を通して静岡県牧之原市で行われた。静岡の山や海といった大自然がふんだんに盛り込まれる中、哲夫と舞子が自転車で町を駆け抜けるシーンのバックには、儚い恋を象徴するかのように美しい茶畑が登場。17歳と14年後の主人公、二つの時間軸が交錯するストーリーの結末は?大人になった哲夫はあの夏の日の恋を忘れることができるのか。遠い昔に青春時代を過ごした大人たちにもときめきを与えてくれる恋物語。

<まとめ>

いかがでしたか?日々の暮らしに寄り添う緑茶も、ひとたびスクリーンに映し出せば、美しさや感動が味わえる物語となります。茶畑一つとっても、毎日見慣れた人と初めてみる人、見ているものは同じものなのに、その心の中に生まれる輝きは、全く異なることも。緑茶という日本の文化は、「日日是好日」に出てくる“世の中には、「すぐわかるもの」と、「すぐわからないもの」の二種類がある。”という言葉の奥深さに改めて気づかせてくれる、よき題材なのかもしれませんね。